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げに退屈こそは
1人SMごっこで身動きできなくなり…… | Excite エキサイト

1人SMごっこ、というタイトルを目にした時は
「SMっていうのは縛り縛られで楽しいものなんじゃないのか?
(縛りも縛られも経験がないのでわからんが)
それを1人でやって面白いものなのか?」と訝しく思ったのだけど・・・
「退屈だったのでやってみた」という少年の言葉を読んで
気持ちいいくらいに納得。

退屈とは時に思わぬ「やる気」を起こさせてしまう魔物だ。
退屈だ、退屈だ、とぼんやりしていると、
いつもは忙しくて忘れているくだらない疑問や欲望に
人の意識は気づいてしまう。
「あ~、ヒマ」とダラダラしているうちはいいが、
「あっ、そう言えば・・・」と身体を起こしてしまったら
それが魔物に憑依された瞬間。

私が中学3年だったある日、
全ての授業が終わり、帰りの会と呼ばれる短いホームルームに
なかなか担任の先生が来ないことがあった。
15分ほど過ぎてやっと先生が来て、帰りの会が始まったその時、
「センセー、Kくんがベランダの柵にはまってまーす!」
慌てて窓に駆け寄り外をのぞくと、
ベランダの床の上に横たわるKくん。
その頭の上半分は、
コンクリートの柵の下の方の20センチ弱ほどのスリットに
しっかりとはまり込んでいた。

面白い、面白すぎる・・・。
あまりにも突飛な状況に笑っていいやらいけないやらわからない私は
きっと凄まじく素っ頓狂な表情でKくんを見つめていたことだろう。
「耳が・・・ちょっとい・た・い」
ちょっとどころじゃないだろうに、
KくんはKくんで、こんな状況に陥ってしまった自分を恥じ入る余り
己が置かれた状況をかなり遠慮がちに伝えてくる。
「おいK、どうしてこんなことになっちゃったんだ?!」
先生の問いかけにKくんはこう答えた。
「だって、先生なかなか来ないし、
ベランダでぼーっとしてたら
"この溝に頭を入れたらどうなるかな?"って思っちゃった」

"思っちゃった"
そう、退屈すると人は
「あっ、そういえば、○○を××するとどうなるのかな?」
と、思っちゃうのだ。
そうできている生き物なのだ。
そして、一旦思っちゃうと後へは引き返せないほどに
その行為にのめりこんでしまう。

私の友達は、ボーイフレンドの部屋へ入って
頭をすっぽりと洗濯かごに突っ込んで床に横たわる彼の姿を目にした。
「何やってるの?!」
「いや、退屈だったから・・・」

私はあまりに何もすることが無いと
仰向けに寝転がって両足を天井に向けて直角に伸ばし、
足の裏で座布団をくるくると回してしまう。
小一時間も回してしまう。

あまりにも退屈なその瞬間に
「自分で自分をベッドに縛りつけることってできるかなぁ?」
ふとそんなふうに思っちゃって、
あまつさえそれをやっちゃったとしても
誰がこのドイツ人少年(16歳)を責めることができようか?
全ては退屈という魔物の為せる業なのだから。

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Top▲ | by mikansky | 2006-02-15 23:02 | これってどうなのよ?
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