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苦しいね
『氷点』って、何度見ても苦しいです。
でも、見てしまいます。

何年か前に、初めて見たのは
確か、浅野ゆう子が母親役だったと思います。
で、最近CSでやっていた白黒バージョンも見てしまい、
(これは、母親役が新珠三千代)
そして、今日、飯島直子バージョンの前半を。

苦しい。
みんながそれぞれに可哀想で。
何が正しくて、何が間違っているのか?ということを
とても模範的なモラルに照らし合わせて見ると、
このドラマの善悪、白黒は簡単に語れます。
でもね、
頭の中にあるものと、胸の奥にあるものは
絶対的な温度差を持っているんだということを再認識すると、
そんなに容易くこのドラマの持つ意味にたどり着くことはできなくなります。
同じ体内での温度差の共存にどろどろに苦しむ人間というものが
私には痛いくらいにわかってしまう。

そう、
ヒロインの陽子をかわいそうな境遇でも健気に生きる善の象徴、
陽子を苛め抜く母親を絶対的な悪役、
でも、その影でとても静かで確実な方法で妻へ復讐しようとする父親こそ真の悪役、
などという安易な見方は許されないくらい深い物語だと私は思います。

もしこの中で誰かひとりの人生を生きるとしたら、
きっと陽子を生きることがもっとも救われるのかもしれないけれど、
母親や父親の持つどす黒さや純粋さが誰の中にもあるはず、と思えば
私たちの多くはもう既に彼らを生きているのかもしれません。
だから、きっと私は、「辛い。思い。苦しい」と感じながらも
毎回このドラマを見てしまうのです。
陽子の苦しみだけでなく、
母親の哀しさ、父親の哀れさに涙してしまうのです。

予断ですが、三浦綾子といえば
中学生のときに読んだ『塩狩峠』も、また少し違った意味で
「何が善で、何が悪なのか」という大きな疑問を投げかけるものでした。
ここまで絶対的な善を目の前に置かれてしまうとね、
善悪の境界線の位置を知るのが怖くなってしまって。
読み終わってしばらくは、いろんな意味でショックが大きすぎて
すべての力を失ってしまったような感じでした。
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Top▲ | by mikansky | 2006-11-25 23:28 | other
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