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あのときのことば #8
『あなたは、好きな場所に行き、好きな場所で暮らすことが出来る』

カナダで住んでいた家の大家さん、Ninaの言葉です。
彼女はポーランドから亡命をしてきました。
そのいきさつについてあまり語りたがらなかった彼女が、
ある日何かの拍子ですべてを話してくれたことがありました。
建築家だった彼女と彼女の旦那さんは
勉強のためにイギリスに滞在したことがありました。
西側の暮らしを知っているという理由で、二人はパスポートを取り上げられ、
引っ越す先々で電話を盗聴されたそうです。
わずか数日間だけパスポートの再発行が行われると知ったとき、
彼らはダメで元々の覚悟で自分たちと幼い息子の旅券の申請を出しました。
幸運にも家族全員のパスポートが手に入ったと同時に、彼女たちは車で国を出ました。
「走って、走って、もう大丈夫だと思える場所までたどり着いたとき
一番最初に目に付いた警察に飛び込んだの。
これでもうあの国に戻らなくて済むと思ったら体が震えた」
「どの国へ行こうかなんて考えてもいなかった。
ただいくつかの国の名前を挙げられて、その中から亡命先を選べと言われたの。
カナダを選んだのは、一度もニュースでその国名を聞いたことがなかったから。
ニュースに出ないということは、
戦争や、内戦や、大きな事件がない平和な国だと思ったの」
そして最後に彼女は言いました。
「ミカ、あなたは好きな場所へ行き、好きな場所で暮らす自由がある。
それがどんなにすばらしいことか知っていてほしい」




世界にはいろいろな事情を抱えた国や地域があります。
それはわかっているつもりでした。
でも、Ninaの話を聞いてみて、
やっぱり私は何もわかっていなかったと実感しました。

たとえば、外務省の海外安全ページを見てみると、
沢山の国や地域が内戦やテロのため"渡航するには危険"として指定されています。
それならば行くのをやめよう。
私たちはそうやってその危険を避けることができます。
でも、私たちが「危ないから行かない」という国や地域には
そこで日々を送るしかない人たちが沢山います。
銃を取らなければならない人たちがいます。
本当は憎みたくないのに、憎まなければ生きられない人たちがいます。
また、直接危険に晒されることはなくても、
どこか遠い場所から自国で起きている恐ろしい出来事に、
家族や友達の安否に、身を震わせて祈っている人たちがいます。

クリスマスイプです。
キリスト教でイエス・キリストの誕生を祝う日です。
私たちの多くはクリスチャンではないけれど、
そうでもないのにクリスマスだからと家の周りを電飾で飾りつけたり、
どんちゃん騒ぎをしたり、高価な贈り物をしたり、
恋人とホテルでSEXをするというのなら、
クリスマスだから祈るということもありでしょ。
私たちがこんなに贅沢で安全なクリスマスを過ごしている同じときに
世界のそれぞれがどんなクリスマスをむかえているのか、
お願いだから少しだけ心を寄せて、祈って、
そして次の朝、チキンの残骸を片づけたら、ホテルをチェックアウトしたら、
近くのコンビニへ行ってレジの脇にある募金箱に100円入れてください。
幸せなクリスマスをありがとう、と100円入れてください。

静かで平和な夜がすごせますように。
Merry Christmas for all.

mikansky.
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Top▲ | by mikansky | 2006-12-23 23:58 | words
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