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もしも、世界が丸ごとあのバーになったら 
金曜日、都内での仕事が済んだ後、浅草まで足を伸ばしました。
「ペリカン」で取り置きのパンを受け取った後、向かったのは神谷バー

前々からとても気になっていたんですの。
でも、1人で足を踏み入れるのほどの勇気は無く、
かといって、店の雰囲気から、
誘える相手も限られるよなぁ・・・と。
で、某紳士をお誘いしてみたところ、快くOKを頂けたので
ついに突入となった次第。

まずは入り口を入ってすぐのレジで食券を買います。
メニューサンプルが並んだガラス棚を覗き込みつつあれこれ品定め。
ガラス棚も食券も、デパートの大食堂みたいで、
この時点からちょいと楽しくなってきます。
食券をゲットしたら、次は席探し。
お席へご案内、なんて洒落臭いシステムはありませんのであしからず。
なんたって金曜の夕方、
ちょっとした死語で言い換えるならハナキンです。
しかも、この日は三社祭の初日。
浅草の町は否が応でも混みあっています。もちろん、神谷バーもね。
ダイニングテーブルのような大きな卓が並ぶスペースに、
いろんな人たちがすし詰め状態。
普通、ここまで人が詰まったスペースは居た堪れない私なのに、
この不思議な気持ちよさは何?
ウエイトレスさんが片付けている席をなんとか見つけて座ると、
そのウエイトレスさんが私たちの食券をひょいとつまみ上げ、
ぽんぽんとテーブルの上で揃えては
人差し指と親指を上手く使い、片手でぴきっ!と”もぎり”。
ひゃあ!こんなの何十年ぶりに見たかしら!
over35にしかわからないこの感動。
胸が熱くなります。

ちなみに、神谷バーでは相席上等!というか、9割方相席になります。
私が座ったテーブルは、
隣には仕事仲間らしきグループ。男性3人に女性1人で、わいわいと。
真向かいは1人で飲んでるちょっと頑固そうな70がらみのおじさん。
川海老のから揚げを肴に、名物電気ブランをビールで割って飲んでます。
かっこよすぎる・・・。
おじさんが帰った後は、30代ほどのサラリーマンがやはり1人でやってきて、
軽く飲んでつまんで、
「お邪魔しました」と私たちに頭を下げて帰っていきましたし、
隣の仕事仲間組が去った後には、70代くらいのおじさん4人組。
「ここ、いいですか?」という満面の笑みと、
パイプ煙草の甘い匂いがナイスでした。

店内は、そうそうないくらいに賑やかです。
なのに不思議なのは、
その賑やかさがまとまったひとつの音になっているということ。
あるグループが極端にうるさかったり、
誰かの話声ばかりが耳につくということがない。
子供っぽい居酒屋で、飲み方を知らない若造がバカ騒ぎをしているような、
そんな不愉快さは一切ありません。
若いサラリーマン、おじいちゃん、おばさま、20代と思しき女の子、
会社ではそこそこいい役だろうと思われるおじさま方、
いろんな人が集まっていますが、
この店に来る人は、この店での飲み方をちゃんとわかっているようです。
そして、そういう人たちに囲まれると、
新参者も自然とその流儀が身に着く仕組み。

この辺りに仕事場を構えて、
夕方になったらふらりとこの店にやってきて、
ちょっと飲んで食べて、ちょっと人を観察して、存分に煙草を吸って、
すっとお尻を上げてまた仕事に戻る、
そんな毎日も悪くないな、なんて思ったりしました。

木曜日の記事に、
「明日はどうか、美味しいものに無邪気に笑える一日でありますように」
と書きました。
美味しいものと、美味しいお酒と、
なんだかわかんないけど楽しいや!って空気に
無邪気に笑っている人たちがあそこには溢れてました。
外の世界で起きている、たくさんの嫌なことを考えたら、
いっそのこと世界が丸ごと神谷バーになっちまえ!ってふと思ったりしてね。

この雰囲気を一緒に楽しめそうな人を誘って、
またきっと足を運ぶだろうな。
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Top▲ | by mikansky | 2007-05-20 22:20 | favorite
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