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永訣

ブログ「Life in San Francisco」のMatthewさんが亡くなった。

本当は、あの夏の暑いさなかに、
彼はもうこことは違うどこかへ旅立ってしまっていたのだけど、
その知らせは、昨日、私のもとへ届いた。

キャンセルせざるを得なかった旅の始まりに、
私はサンフランシスコに立ち寄って、彼と会うはずだった。
いつか必ず会おうという約束が、
長い間温めてきた約束が、
やっと叶うはずだった。
でも、夏がやって来る直前に、
旅の予定を話し合うために交換していたメールが一方的に途絶えてしまった。
それはあまりにも不思議なことで、
私は何度かメールをしてみたけれど、
今思えば、もうその時、Matthewさんはいなかったのだ。

一度だけ、電話で話しをしたことがある。
実は、Matthew さんも、私も、とてもしんどいことをくぐり抜けている時期で、
仕事とか、人生とか、愛情とか、そんなことをとりとめもなく話し合った。
自分も辛いはずなのに、優しい声で
「ミカさん、無理はしちゃだめだよ」と。
会えたなら、もっともっといろんな事を話せたのに。

彼がデザインする花々の束のように、
とても美しくて、とても真摯な心を持った人だった。
唯一無二の才能を神様から授かった人。
なのに、神様は、そんな人を連れて行ってしまった。
そんな、かけがえのない人があまりにも早くこの世を去る時、
私はいつも、少しだけ、自分がここに残ってしまう事を
申し訳なく感じてしまうのだ。

Matthewさん、今日、あまりにも天気がよくて、
ひとりで外を歩いたんだよ。
Nike+で音楽を聴きながら歩くとね、ヘッドホンの中の男の人が
「10分歩きましたよ」とか「目標まであと15分ですよ」って
声をかけてくれるの。
なんだか、独ぼっちで闘う私に「大丈夫!」って言ってくれているみたいで、
私はこの声が好きなんだけど、
今日はね、この声を聞いた途端涙があふれた。
あなたが、独ぼっちだった私にかけてくれた言葉を思い出して、
私は、立ち止まって、
本当は声を上げたかったけど、
誰にも見られないように歯を食いしばってコンビニの駐車場の端っこで泣いた。
ごめんね、Matthewさん。
私は、あなたに何もしてあげられなかった気がする。
ごめんなさい。

Matthewさん、とても、寂しいよ。

 過去記事 海のむこうの人へ」



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Top▲ | by mikansky | 2008-10-28 16:52 | other
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