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カテゴリ:words( 18 )
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grieve
久しぶりにカナダへ電話をした。
私が2年間部屋を借りていた家の大家さん。
彼女のことは以前このブログにも少し書いたことがあるが、
移民としてポーランドからやってきた彼女は
外国からやってきた私のことを何かと気にかけてくれた。
穏やかで優しい人。

誕生日の朝に私を襲った感情について彼女に話をした。
ひとつ年をとったと思ったら急に不安になったこと。
何者にもなれていない自分、誰からも必要とされていない自分。
腹が立って、哀しくて、そんな自分に驚いたこと。
そして、ふと落ち着いた瞬間に
「ああ、ついに私にも年齢による心と体の変化がやってきたんだ」
と思ったこと

英単語をひとつひとつ選びながら話す私に気長に耳を傾けた後
彼女が口を開いた。
「ミカ、人は新しいステージに足を踏み入れようとしている時には、
必ず何かを置いていかなきゃならないの。
大人の女には、シミもシワもない肌や、ハリのある胸や、艶やかな髪を
置いていかなければならない時もやってくる。
置いていかなければならないことを悲しんで、
手放さなければならないものを悼むことは当たり前なのよ。
それは、次へ進む儀式のようなもの」

Mika, you cried because you grieved about what you had to left behind.

grieveという言葉を彼女は使った。
日本語に訳すと「悲しむ」となるけれど、
そこには、死者や死自体を深く悲しみ悼むというニュアンスが含まれている。
単に負の意味だけではない、少しだけの温かさが含まれていて
私はこの言葉が好き。
その言葉を、彼女は使った。
そして「aging」とか「menopause」という言葉を使わずに
「next stage」と言った。
目からうろこが落ちるような感覚を味わいながらも、
彼女らしいとも思った。

こういう"先輩"がいてくれれば、
慌てふためきながらも根っこの部分では安心して女は年をとっていける。
決して傷を舐め合うのではなく、
「大丈夫、あなただけじゃない」と強く背中を叩いてくれる人さえいれば
置いていくもの、諦めるものを、悼み弔いながら次のステージに足を進めることができる。
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Top▲ | by mikansky | 2010-06-20 23:00 | words
つっかえ棒
たとえば、嘔吐してしまいそうなほどにたちが悪く、苦しい出来事。
それがまるで突然空から降ってきたように。

"Be strong. - 強くね"

"We pray for you to use wisdom in this situation.
- あなたが知恵をもってこの状況を乗り越えるように祈っている"

"I've got my arms in a big hug around you.
- 私はあなたをしっかりと抱きしめているからね"

後ろにどっさりと崩れ落ちそうな私の背中を、
つっかえ棒のように支えてくれる言葉。

うん。
あなたたちの力強い腕を体の周りに感じながら、
私はしっかりと、強く、
知恵を力にこの問題を乗り越えていこう。
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Top▲ | by mikansky | 2009-07-21 12:13 | words
あのときのことば #9
『神様は見てるのよ』

20年来の友達、Kちゃんがよく口にする言葉です。
彼女いわく、神様は絶対にどこかで私たちの行状を見ているのだとか。
だから、悪さをすれば必ずそれに見合った罰が降りかかってくるって。

「だからね、たとえばミカちゃんにひどいことをする人がいるとしたら
神様は必ずその人に罰を降らせる。ほんとよ。
ただひとつ残念なのは、
そいつに罰が降ったことをミカちゃんが知る術がないってこと。
『あなたにひどいことをした人間に、たった今罰が下されました』
ってメールでも届けばいいのにねぇ」
そう言って、彼女はさも楽しそうにけろけろと笑います。
で、そうなると
もう、いやなことなんてどうでもいいや、と思ってしまう私です。


『おネエチャン、いつもそうやって笑うんだよ。
そうすれば、大抵のことは大丈夫』

学生のとき、深夜の新玉川線の中で
酔っ払いのおじさんに言われた言葉です。
飲み会の帰り、
ぎゅうぎゅう詰めの車内で2人組の酔っ払いに挟まれてしまった私。
「学生さんか?」と声をかけられ、そこからはあれこれと質問攻め。
卒業も近い季節で、
「就職は?」「はい、お蔭様で決まりました」
といった会話の後で、ひとりのおじさんが口にしたのが上の言葉でした。
なぜかは知らねど、ン十年経った今でも忘れずにいます。
多分、おじさんはすぐに忘れてしまったと思うけど。

「飲み会で遅くなったのか。楽しかったか?そうか。
だったら、おネエチャンが母親になったときに、
自分の娘にもそういう楽しみを許してやれよ。
きちんと育てりゃ、きちんと遊べる子になるぞ」
これもそのときに言われた言葉。
当時で50代半ばくらいで、THEサラリーマン!といった感じの
2人でしたが、なにやら言葉に力のある人たちでした。
後半のお話はほとんどシモネッテイーな感じだったことはご愛嬌(苦笑)
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Top▲ | by mikansky | 2007-04-10 12:15 | words
ろく?
「ひとでなし」ってすごい言葉だよなぁ、と
ふと考えた。
人に非ず、だからひとでなし。
「早く人間になりたぁ~い!」レベルだ。

じゃあ「ろくでなし」はなんなんだ?
ろくに非ず?
そういや「ろくなもんじゃない」って言葉もあったわなぁ。
で、調べてみた。

ろく【陸・碌】
 [1] 下に打ち消しの語を伴って、物事の正常でないこと、
   まともでないこと、満足できる状態でないこと、また、そのさまを表す。

なるほど。
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Top▲ | by mikansky | 2007-04-02 15:49 | words
あのときのことば #8
『あなたは、好きな場所に行き、好きな場所で暮らすことが出来る』

カナダで住んでいた家の大家さん、Ninaの言葉です。
彼女はポーランドから亡命をしてきました。
そのいきさつについてあまり語りたがらなかった彼女が、
ある日何かの拍子ですべてを話してくれたことがありました。
建築家だった彼女と彼女の旦那さんは
勉強のためにイギリスに滞在したことがありました。
西側の暮らしを知っているという理由で、二人はパスポートを取り上げられ、
引っ越す先々で電話を盗聴されたそうです。
わずか数日間だけパスポートの再発行が行われると知ったとき、
彼らはダメで元々の覚悟で自分たちと幼い息子の旅券の申請を出しました。
幸運にも家族全員のパスポートが手に入ったと同時に、彼女たちは車で国を出ました。
「走って、走って、もう大丈夫だと思える場所までたどり着いたとき
一番最初に目に付いた警察に飛び込んだの。
これでもうあの国に戻らなくて済むと思ったら体が震えた」
「どの国へ行こうかなんて考えてもいなかった。
ただいくつかの国の名前を挙げられて、その中から亡命先を選べと言われたの。
カナダを選んだのは、一度もニュースでその国名を聞いたことがなかったから。
ニュースに出ないということは、
戦争や、内戦や、大きな事件がない平和な国だと思ったの」
そして最後に彼女は言いました。
「ミカ、あなたは好きな場所へ行き、好きな場所で暮らす自由がある。
それがどんなにすばらしいことか知っていてほしい」

Merry Christmas.
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Top▲ | by mikansky | 2006-12-23 23:58 | words
あのときのことば #7

「センセイ、ぼくには大事な友達がふたりしかいないんだよ」

以前教室に来ていたトモくんの言葉です。
幼稚園に入って数ヶ月経ったある日、
私は何気なく彼に聞きました。
「幼稚園でお友達たくさんできた?」
それに対してトモくんが答えたのがこの言葉です。

未だにこのときのことは胸に残っています。
これからいろいろ感じ取って育っていく子供に、
なんて愚かな大人の感覚を押し付けてしまったか、と。
彼の答えを聞いた瞬間に、自分の間違いに気づきました。

どうして大人は、友達はいっぱいいる方がいいと考えるのでしょう。
「友達100人できるかな」なんて歌いながら、
たくさん友達がいる子はいい子、と言わんばかりの価値観を
押し付けるのでしょう。

ちゃんと話さなきゃだめだと思いました。

「あのさ、センセイはトモくんよりもずっとずっと歳をとっているけど
本当に大切な友達は多分5人くらいしかいないんだ」
「そうなの?」
「うん。
センセイは1人の友達をきちんと大切にしようとすると
とても時間がかかっちゃうんだ。
だから、たくさんの友達がいると、
みんなを同じように大切にしてあげられなくなっちゃうの。
5人ならきちんと大切にできる」
「ぼく、友達ふたりでも大丈夫?」
「トモくんがその子をちゃんと大切にするのなら、
友達はふたりでもひとりでもいいんだよ、きっと。
ごめんね、センセイは間違っていたね」

私は、子供と話す時、"諦める"ということをしないように心がけています。
「まだ幼稚園生だからこんなことを話してもわからないだろう」
と諦めてしまうと、絶対に大人は損をします。
大人が伝える努力をすれば、全てのことは伝わります。
(ただし、変な子供言葉や、子供に対して話す時特有の妙なイントネーションは
使いません。彼らが理解できる言葉を使う、それだけで十分です)
伝わったらこんなに面白いことは無い。
それができないとしたら、あなたの大人としての資質がいくつか欠けているのです。
私にそれを教えてくれたのはトモくんでした。
本当に魅力的な、深い男の子でした。
そして、彼が教えてくれたように、諦めないで伝えたら
ほかの子供たちも同じくらいの深さを湛えているということがわかりました。

生きてきた時間が短い分、
情報や技術やキャパシティは確かに私たちよりも少ない。
でも、根っこの部分は大人も子供もさして変わりはないのです。
長く生きた分染み付いてしまった何の根拠も無い価値観を
生きてきた時間が短い人たちに押し付けたり、
それで彼らを計ってしまってはやっぱりいけません。

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Top▲ | by mikansky | 2006-10-08 15:10 | words
近頃時折考えること

最近、生きることとか死ぬことなどをふっと考えることがあります。

今よりも若い頃は、
死どころか、自分が歳をとることすら現実として感じることができずに、
今が永遠に続くような錯覚の中で暮らしていたような気がします。

今の私は、
自分の年齢と、
もう生き直すことはできないのだということに気づいてしまったせいで
時々死ぬことが無性に怖くなることがあります。
怖いから、命というものに対して少し謙虚になったような気もします。
人は少しだけ恐怖を抱えていた方がいいのだな、と思いながら。

『美しいお経』(瀬戸内寂聴)という本の中にこんな言葉を見つけました。

「すべての生きものにとって生命が愛しい
己が身に身にひきくらべて殺してはならぬ」
 (『美しいお経』 瀬戸内寂聴 138ページ) 

原始経典『ウダーナヴアルガ』にある言葉だそうです。

人は必ずいつかは死ぬものだから、
だから、
誰一人として、理不尽な死を迎えることだけはあってほしくないと、
どうしたらそんな哀しい死をなくすことができるのかと、
一日に一度は考えてしまいます。
なのに、
酒を飲んで車を運転する馬鹿者に、
何の自覚もないままに子を生した、親とも呼べぬ親に、
自分の考えを力で思い知らせようとする無法者に、
心にずれた歯車を抱えて息を潜めている異常な者に、
正義の名の下には他国の民の命も自国の民の命も軽んじる者に、
今日はいくつの命が消されたのでしょう。

全ての人が、
美味しいと笑えるように、
相手の心を慮った言葉で自分の思いを伝えられるように、
日に一度はうれしいと思えるように、
安心して眠れるように、
笑って命を終えることができるように。
私にできることは何なのか、
そろそろ真剣に考えないことには
何もできないままでは笑って死ねないなぁ、と思います。

てなことを考えていたら、
こんな文章を思い出しました。
アメリカがイラクへ攻め入ったときに、
作家パウロ・コレーリョがブッシュ大統領に宛てて書いたメッセージです。
多分、自分の頭と心と言葉を駆使すれば
何かができるのだと思います。

Say "Thank you " to HIM, everyone!
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Top▲ | by mikansky | 2006-10-06 23:11 | words
あの時の言葉 #6

『私の中にはダークティンカーベルがいるの』

 友人M嬢の言葉です。
 誰の心にだって、少しだけダークな部分があるものだ、と
 彼女は言ってくれました。
 黒く小さな羽虫のようなティンカーベルが時折心の中を飛ぶことくらい、
 それくらいは許してもいいんじゃないの、と。
 ダークティンカーベル
 可愛いのやら怖いのやら。

『遊ぶ金ほしさの勤労って、変に聞こえるけど、
正しいんだよなあ。
だから逆に言うと、「H目当てのAV」って
正しくないんだよなあ』

 かっこいい大人の男の言葉です。
 AVというものをまともに見たことはないのですが、
 (ほとんどの女性には当たり前のことだと思います)
 たまたま夜中のザッピング中に見つけた番組、
 それとは思わず興味を惹かれて見入っていたら
 途中からHなシーンが始まって、
 AVでした。
 初めて、最後まで見てしまいました。
 人のSEXを見ることに興味の無い私。
 (自分のものを見せることにはさらに興味なし・笑)
 Hなシーンはどうでもよいのですが、
 その合間に入る映像の美しさや、なんとも不思議な人間関係の雰囲気が
 気になって、気になって・・・
 「これ好きだ」とまで思ってしまった。
 さりとてこれは、H目当てにAVを見る人にとってはさぞかし意味のわからない
 ものなのだろうなぁ、と。
 そんな話をした際に、かっこいい大人の男から出たのがこのセリフ。
 私には、わかったようなわからないような。
 でも、AV=SEX=恥ずかしい、という公式だけで計らずに
 むき出しのエロの合間に隠れているエロとは対極のものに
 惹かれてもよし、と勝手に理解しました。

『本当はね、みかさんの隣に座って、
黙って手でも握ってあげられたらいいのだけれど』

 こちらも大変素敵な大人の男の言葉。
 触れるということで慰めたり、祝福したり、気持を分かち合ったり、
 そんな瞬間が最近どれだけあったかなぁ。
 握手、ハグ、肩に回した手、背中を優しく撫でる手、
 それは恋愛とか、邪な思いとは別の場所で
 人と人がつながるためのひとつの優しい手段。
 言葉よりも手を握ろうと言ってくれる友達がいてくれることは
 本当に心強い。
 いつか必ず、お互いの想いをこめて手を握り合いたいと思っていますよ。


言葉を下さった人たちへ
こういう形であなたの言葉をお借りすることをお許し下さい。
これからも大切にさせて頂きますので。

☆停電は大丈夫だったかな?

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Top▲ | by mikansky | 2006-08-14 11:17 | words
悪女

「本当に値打ちのある男は
尊敬できる女を選ぶの。
手に入れたい男、いるでしょ?」

スカパーのEPGに懐かしい番組の名前を見つけました。
『悪女(わる)』
石田ひかりが主演のドラマです。

で、その中で彼女に立身出世術を叩き込む、
ある意味謎の上司・峰岸さんのセリフがこれ。
ちなみに、峰岸さんを演じているのは
今も昔もhandsome womanの倍賞美津子。
彼女が言うからこそかっこいいセリフです。

値打ちのある男、尊敬できる女。
手に入れたいと思われる女よりも、
手に入れたいと思える男を胸に抱えている女になりたいと
ちょっと思っちゃったりしている私です。

ちなみに『悪女(わる)』。
昔見ていた時、当然私は今よりも断然若かったわけで、
「頑張れば結果が出るものなのね」てな具合に
主人公に自分を重ねて見入っておりました。
で、今この年で改めて見てみると、
主人公が単なる天真爛漫な頑張り屋さんではなく、
リアルに上を狙っていく女の子であることに
「よしよし」とほくそ笑んでしまうのです。
なんとも後味のいいドラマです。

*ドラマの中のhandsome womanといえば、
 『純情きらり』
で寺島しのぶが演じる笛子姉さん。
 あれは、私の理想とする女性像のひとつですねぇ。

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Top▲ | by mikansky | 2006-05-02 00:08 | words
あの時の言葉#5
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『どいつもこいつも、ホールディン、ホールディンよっ!!』

7月のカナダ旅行で飛び出したNK嬢の言葉です。
帰路、ビクトリアからバンクーバーへのフライトで
彼女と席が離れてしまったのですが、
バンクーバー空港へ着き、先に降り立った彼女に私が声をかけたところ
帰ってきたのがこの言葉。
正確には
「どいつもこいつも、holding、holding・・・」です。

その2日ほど前、NK嬢、N嬢、私の3人で夕暮れのビクトリアを散歩していた時
なんの脈絡もなくNK嬢が呟きました。
「私、何年男の人と手をつないでないだろう・・・」
考えてもみてください、
世間が負け犬と呼ぶ条件を完璧に持ち合わせた3人が夕暮れの街を歩くその時、
会話が途切れたその不思議な瞬間に、
こんなセリフをぽつりと言われてごらんなさい。
そりゃあ、場の空気も張り詰めます。
ふと前方を見やると、そこには仲睦まじく手に手を握り合って歩くカップルの姿。

「Nちゃんも、mikanskyちゃんも、お相手がいるのだから・・・」
と切なげに言うNK嬢を
「まあね~、うふふ♪」とからかいながら、私も自分のここしばらくを振り返っていました。
そういえば私の最後はいつだっただろう。

考えれば、最近、私と相方が手をつなぐことはほとんどありません。
電車が揺れるにもかかわらず、どこにも摑まれないときに
軽く腕を借りるくらいでしょうか。
たまにはいいんじゃないのかなぁ、と思ったりもしますが
だからと言って、
「手をつなごう」なんて、たとえ河童に尻子玉抜かれようとも言えない私。

ビクトリアからバンクーバーに向かうわずかな時間の中、
NK嬢は自分の座席のすぐそばに
"holding their hands each other"のカップルを見つけてしまったのでした。
だから、飛行機から降り立った瞬間に
「どいつもこいつも、ホールディン、ホールディンよっ!!」
となったわけです。

大人の女ですからね、
手をつなぐなんて行為くらいで揺れてる場合でもないのですが、
でも、時々誰かとふっと手をつなぐことができたら
ちょっと気持ちいいんだろうな、なんて思ってしまうのも本当。
だから私は
「どいつもこいつも、ホールディン、ホールディンかよっ!!」
と心の中でN嬢を上回る悪態をつきながら今日も街を歩くのです。

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Top▲ | by mikansky | 2005-08-24 15:27 | words
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