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カテゴリ:book( 37 )
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当たり前がなっていない女
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なにかというと情報に踊らされて、どうにもしようがない時期がありました。
もう、同じ阿呆なら踊りゃな損、損!っていうくらいの勢いで、
テレビやらインターネットやらの情報に阿呆のように飛びついてしまうような。
「○○で痩せる」と言われれば食いつき、
「××でお腹が凹む」と言われればネットで必死に調べる。
そんなものに振り回される日々に少しずつ退屈をし始め、
昨今では熱もすっかり引いたのですが・・・

「世界一の美女になるダイエット」という本を買ってみました。
ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタント、エリカ・アンギャル
が書いたダイエット本です。
ダイエットばかりでなく、自分の全てをリセットして変えるには
食生活をしっかり見つめ直さねばもうどうしようも無いだろうと
ここ最近考えていたところでした。
この本、内容は至極当たり前で、至極正当です。
「えっ、それでそんなに痩せられるの?!」という衝撃はこれっぽっちもない分、
自分がいかに真っ当な食生活を送っていないかを思い知らされます。
"いま口にしたものが10年後のあなたを決める。"
"太らないためにもいい油が必要"
"カロリーだけでは真実は見えてこない"
"「ばっかり食べ」は効果半減"
などなど、当たり前田のクラッカー(古)な事ばかりの小見出しに
いちいち頷く私。
そう、当たり前ができていないからこんなふうになってしまったのですね。
(さすがに大人だから「ばっかり食べ」はしないけどね)

先日テレビで見た50歳の岡田奈々の美しさに魂を吸い取られた私は、
50歳になった時に35歳の男性から「宜し」と思われることを目指して精進しようと
エリカ女史の一言一言をかみしめながら読み返すのです。

記事とは全く関係ないが
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Top▲ | by mikansky | 2009-05-15 23:22 | book
オススメのイケ面
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最近よく考える。
いつまでこの仕事を続けられるだろうか、って。
未曾有(み・ぞ・う)の経済危機に見舞われているこのご時世だもの、
生きていくためにさほど必要のないものにまで
お金をつぎ込むことは、皆、できない。
そう考えたら、仕事として私が提供しているものなんて
いの一番に削られてしまうものなんだな。
だから、仕事を失った人たちのニュースを見るたびに
そうは遠くの世界の事とは思えずに、ため息が出ちゃうのね。
ああ、とため息をついた後、思うのね、
「だから、身につけられる武器はなんでも手に入れなきゃだめなのさ!」

バブルの頃は「内定10件ゲットです♡」なんて
テレビカメラの前で暢気に笑う学生がたくさんいた。
(あの人たちは今、どこかできちんと役に立つ大人になっているんだろうか)
でも、今は、ただ大学を出たというだけでは、ただ英語ができるというだけでは、
ただ愛想がいいというだけでは、簡単に仕事にありつくことなんてできない。
大学を出たあなたが、英語ができる私が、愛想のいいあの人が、
一体、その会社にどんな利益をもたらすのか、が重要。
そう、
「こんな大変な時代だからこそ、苦しい中から給料を払ってでも
この人に我が社で働いてもらいたい」と、
こんな時代だからこそ必要な人材だと思わせなきゃならんのです。

ただ、残念な事に、必要だと思わせるためのチャンスって、
わずか数回の、ことによってはたった1回の面接しかないのが現実。
できることなら、長い時間を共に過ごして、
その中でじっくりと人となりを知ってもらうことができたらいいのにね。
自分の一生を決めるかもしれない重要な岐路に、
与えてもらえるチャンスがそれだけなんて、
そこで失敗したらおいらの人生どうなっちまうんだよぉぉ!
ええ、気持ちはよくわかります。わかりますよ。
でも、モノは考えようです。
入っちまえばこっちのモン!とまで大雑把なことは言わないけれど、
面接というハードルを上手に飛び越えちまえば、
あとはあなたの心構えと努力で先へ進むことはいくらでもできるのです。
わずか数個、ことによってはたった1個のハードルを上手に飛び越えるために、
必要な武器さえきちんと身につけて挑めば、
あなたのつま先がハードルにつまづくことはありません。
そう、わずかな時間の面接にもそれを乗り越える技術があるのです。

「イケてる面接術」は、30日間をかけて、
着実にその技術を身につけて、明るい未来を切り開こうではないか、
という素敵な本です。
ただし、そんじょそこらにある、
ソレを読んだ人間がみんな判で押したように同じような発言をして、
「ははーん、コイツもあの本を読んだか」なんて面接官に思わせてしまうような
レディメイド臭い面接本とは一線を画しています。
だいたい、面接を乗り越えるために、30日間をかけて学んでいこうなんて、
「仕事を手に入れるってーのはさ、付け焼き刃じゃいかねーのよ」
というちょっとした厳しさが見え隠れしてるでしょ。
だけど、その30項目は、本当に合理的な面接攻略のコツなわけですから、
結局この本は、
あなたに無駄な遠回りも、インチキ臭いショートカットもさせることはありません。
新卒として近い将来就職活動を始める予定の方、
ご家族、お知り合いにそんな若者がいる方、
新卒ではないけれど、なんとか新しい人生を切り開きたいと考えている方、
今その努力の真っ最中の方、そんな方にオススメの本です。

なんて素敵なこの一冊。
NHK出版から今月の28日に発売となります。
ん?
まだ発売されていないってことは、
読みもせずに偉そうなことを言っているのかmikansky?!
そんな無責任なことをやってるからいき遅れるんだぞ、mikansky!
ってか?
いえ、もう読んだんです。発売前だけど読んじゃったんです、アタシ。
実はこの本、私もほんの少しだけお手伝いをさせて頂いています。
お手伝いっていうより、構成・執筆のロイ渡辺氏に
「お手!」と言われて「わん!」と右手を出した程度なのですが。
で、「お手」をした私へのご褒美として、
担当のNHK出版滝沢さんが見本として上がったものを送って下さったのです。
素敵です、タッキー。(私の中では、勝手にタッキー呼ばわり)
お手を命じたのはロイ氏ですが、ご褒美をくれたタッキーに
しっぽを振って一生ついて行こうと心に誓ったアタシです。

それにしても、もう一度心して読んでおかなくちゃ、
「イケてる面接術」略して「イケ面」。
私も、いつ仕事がなくなってしまうかわからないもの。
ああ、本当はいつか、アシスタントや秘書でも雇うために、
面接をする側になりたいんだけどねぇ。

お仕事、下さい。

「おちまさとプロデュース イケてる面接術」
 「おちまさとプロデュース イケてる面接術」をつくる会・編
  NHK出版
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Top▲ | by mikansky | 2009-01-24 12:11 | book
石井桃子さんの絵本と私たち
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石井桃子さんが亡くなった。

去年だったか一昨年だったか、
待ち合わせに遅れそうで駆け抜けた銀座の街で
「石井桃子生誕100年展」という小さな看板をみかけた。
ある書店の店先だった。
急がなければならないときほど、
足を止めて見入りたいものに出くわす。
そんな状況にちょっと舌打ちをしながら、私はそこを通り過ぎた。

私の伯母は保育園の園長をしていた。
彼女は仕事の中で
子供の心を豊かにしてくれるであろう絵本や玩具にたくさん出会ってきた。
そして、自分に子供がない分、
そういった絵本や玩具を甥や姪に惜しみなく与えてくれた。
「ちいさいおうち」「ノンちゃん雲に乗る」「こねこのぴっち」
"たーちゃんおばちゃん"がくれた絵本の頁を繰りながら、
ただ普通に読むだけでは飽き足らず、
私たちいとこ同士は自分たちで新しい物語を考え出し
それを順番に披露するという遊びをした。
時には母親たちもそこへ交じり合い、
何時間も笑いながら過ごしたものだ。

造園家、彫刻・オブジェ作家、漁師の妻、小さな会社持ち、
ハワイアンキルト講師、スイミングコーチ、英語講師兼翻訳士・・・
不思議なことに、私たち7人の従兄妹の中には会社員がひとりもいない。
母親たちは、みんな勝手な生き方をして、と少し嘆いたりもするけれど、
ひょっとしたらそれはあなたたちの責任よ、
と私は時々思う。
子供の頃から、
想像力や独創性を豊かに豊かにする絵本を与えられ、
想像力や独創性を豊かに豊かにする時間を与えられ、
私たちは好きな生き方をする大人に育った。
そして、それを与えてくれたのはあなたたちなのだから。

私たちの育ち方・生き方に少なからず影響を与えてくれた絵本の、
その多くが、石井桃子さんの手を経ているものだということに
今更ながら驚きながら、
なんとなくも幸せに生きている今を
石井さんと、私たちの母親たちに感謝。

いいものを生み出す人が去っていくのは悲しいことです。
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Top▲ | by mikansky | 2008-04-03 10:29 | book
わくわくが届いた
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昨日の記事に書いた"わくわく"。
その理由がコレです。
以前オーダーした本が、今日やっと届きました。

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『MUFFINS』はWilliams Sonomaのレシピ本。
洋書の場合、レシピばかりで写真が少ないものがほとんどなのですが
これはまるで写真集のよう。
分量が、カップ、オンス、グラムの全てで表示されているところが
とても親切で、レシピ本としても合格です。

『PLATE + DISHES』は、アメリカからカナダへ旅をしながら
その道沿いにあるダイナーの料理とウェイトレスを撮り続けた写真集。
(ダイナー、日本で言えば定食屋のような存在でしょうか)
左のページに料理、右のページにはサーブしてくれたウェイトレスの写真が
レイアウトされています。
こちらは純粋な写真集。レシピは載っていません。
でも、ダイナー好きの私には、十分わくわくに値する一冊です。

わくわくするような本を見つけて、
わくわくしながらオーダーをして、
届く日をわくわくと待ち、
わくわくとパッケージを開いては、
わくわくとページを繰る。
これ以上のわくわくが、今の私には思い当たりません。
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Top▲ | by mikansky | 2008-02-29 11:44 | book
『食堂かたつむり』

ちょっと「かもめ食堂」に似たタイトルです。
内容も、
傷ついたり、疲れたりした人が、
それまで住んでいた場所から遠いところで
料理をすることで少しずつ痛みを消し去っていく、
というところでは基本的に似ています。

少し泣けます。
いえ、結構泣けます。
哀しくて泣けるのではなく、
うれしくて泣けます。

読み終えた後、
帯にある、草野マサムネ氏の
『「食べる」ことは
愛することであり、
愛されることであり、
つまり生きることなんだ  -以下省略-』
という言葉に大きく頷いてしまいます。

料理が上手いとか、下手だとかではなく、
どれだけ時間をかけて作ったかでもなく、
ただ、その子の食を気にかけてくれる大人が傍にいてくれた子供は、
とても幸せな子供だという気がします。
(私は、とてもとても幸せな子供でした)

誰かと一緒に食事をする楽しさを、
誰かが自分のために料理をこしらえてくれる喜びを、
誰かが自分の食を気にかけてくれる温かさを知っている人は、
きっと優しい人になれると思います。
相手を思いながらこしらえる人も、誰かの食を気にかける人も、
同じです。

食べることが愛し愛されることなら、
私は、ひとつひとつの食をないがしろにしない人になりたいと
考えます。
至極当たり前だからこそ、
まるでお決まりの呪文のように唱えていた
「いただきます」と「ごちそうさま」を
明日からはもっときちんと。

今日の晩ごはん、なに食べた?
明日の朝は、何食べたい?




  『食堂かたつむり』  小川 糸       ポプラ社
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Top▲ | by mikansky | 2008-01-21 22:53 | book
読めない本

本を読むときに
どっぷりとその中に浸かってしまうという傾向が私にはある。
(余程気軽なエッセイや実用本は別だが)

たとえばそれが小説の場合、
読み進めていくうちに
登場人物の背格好や服装、おおまかな目鼻立ちが
頭の中でできあがっていく。
登場する街並みや室内についても、
私の頭は勝手にイメージを作り上げ、
その中に登場人物を置いた形で物語は進んでいく。
目から入ってきた文字が脳に伝わって、
それが頭の中でテレビドラマに変わっていく感じ。
これは、小説に限らず、
状況を想像・連想し易いノンフィクションも同じ。

活字を追いながらも、頭の中では映像が見えていて、
その映像は、当然、本を閉じれば消えるのだけど、
またその本を開いて読み出せば
私は再び映像の中へ引き戻される。

だから私は、読書をするととても疲れる。
その本が面白ければ面白いほど、くたくたになる。

とても面白いのに、すぐ手の届くところにあるのに、
どうしても読めない本が数冊ある。
読み始めた途端にその中へ引きずり込まれ、
まるで自分がその中で起きている全てを実体験しているような
錯覚にすら囚われて、
苦しすぎて読めなくなってしまったのだ。
それ以上読み続けたら、自分の何かが壊れてしまうような気すらして。

理性や知性ではなく、
私の感情が読書をしている。
本を読んで言葉や表現方法を学びたいと思っても、
時に、とてつもなく貧しい言葉しか生み出せない自分がいるのは
そのせいなのかもしれない。
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Top▲ | by mikansky | 2007-12-03 10:19 | book
ヨムワタシ 『サクリファイス』
カナダにいた頃、
とあるリッチなお宅でのディナーに招かれました。
食事をしながら、そのお宅の奥様(カナダ人)が
「私、大好きな日本語があるのよ」と言い出した。
「どんな言葉?」と聞いてみると
「Osu!」・・・つまり、押忍(おす)。
「自分の師に対して絶対的忠誠を誓う言葉なのよ・・・」
とうっとりする彼女の説に「そうなのか?」と疑問を抱きつつ、
話題は『好きな言葉』へ。
私の友人(カナダ人)は「"yearn"は美しい言葉ね」。
「Mikaは?」と問われて私の頭に浮かんだ言葉は、
"sacrifice"。
で、『サクリファイス』 近藤史恵

自転車ロードレースを題材にした、ややサスペンス色を含んだ小説です。
ロードレースを知らない人にはちょっと理解するのが難しいかもしれませんが、
チーム単位で闘うレースでは、勝ちを狙いにいく「エース」と、
エースのサポートに徹する「アシスト」という存在があります。
アシストは間違っても自分の勝ちにいってはなりません。
あくまでも、自分の体力、技能、全てを賭してエースを勝たせるのが
アシストの役目。
それを忘れてしまった瞬間、彼は彼の存在意義をなくしてしまいます。

この物語の主人公は、チームの中でアシストを勤める若い選手です。
陰の存在として自らを犠牲にすることに諦念とすら言えるような思いを抱えつつ、
それでも、思いも寄らない自分の能力に戸惑いを感じつつレースを闘う彼。
「このまま、ただの犠牲でいいのか?」
そんな時、以前からチームの中に淀んでいた疑惑が
彼の身にも影響を及ぼし始め・・・。

やはり、ロードレースを一度も見たことのない人には、
レースの仕組みや、ロードレースが紳士のスポーツと言われる所以を
理解するのはちょっと難しいかもしれません。
ただ、レースの場面、
選手たちがいろいろな駆け引きをしながらもコースを駆け抜けていく様子は
とてもうまく描写されています。
そして、最後の最後に明かされる真相には、
mikansky、不覚にも、涙滂沱としてえぐえぐ状態。
だから私はsacrificeという言葉が好きなのです。
決して卑屈でも、哀しいわけでもない。
この言葉の本当の意味をわかる人にとっては、
とてつもなく美しい言葉でしかありえません。

いくつかの書評などでサスペンスと書かれているのを信じてしまうと
ちょっと物足りなさを感じてしまうはず。
正直、これはサスペンスではないと、私は思います。
先にも書いたように、あくまでも、"サスペンス色を含んだ"作品です。
でも、まるで自分が自転車で疾走しているかのように、
物語に引き込まれてラストまで持っていかれます。
できることなら、この小説を読んだ後に、
DVD『OVERCOMING-ツール・ド・フランス激闘の真実-』を見ていただければ、
ロードレースの魅力をわかっていただけるはず。

来年の夏は、あなたもツール・ド・フランスに釘づけよ♪


『サクリファイス』  近藤史恵  新潮社
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Top▲ | by mikansky | 2007-10-22 12:02 | book
オススメだとか
久しぶりに、
Amazonの『mikanskyさんへのおすすめ商品』をチェック。
なぜか、
『紀香バディ! 』と『NAKATAビジネス 』
をすすめられた。
うむ・・・確かに、足りないところを見透かされている気もする。
しかし、似たようなネーミングをするよなぁ。
私も、『mikansky ×××』ってな感じの本でもだしてみようかしらん。
さてここで、×××に何か言葉を当てはめて、
本のタイトルを考えてくれたまえ。
これは!という面白いタイトルは
いつか出版されるかもしれないmikansky本のタイトルとして採用。

おすすめリストをスクロールしていったら、下の方に
『モテまくれ。 美人が勝つとは限らない 』
・・・がんばります(泣)
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Top▲ | by mikansky | 2007-10-09 11:18 | book
ヨムワタシ 『犯人に告ぐ』上・下
私は、いわゆる警察モノが好きです。
自分が、順序を追って物事を解決するのが苦手なので、
試行錯誤しながらも着実に
ひとつの答え(犯人逮捕)にたどり着く過程を見ることができる
警察モノのテレビドラマや小説に心躍ってしまうのですね。
で、『犯人に告ぐ』 雫井脩介。

勉強不足で恥ずかしいのですが、
この作者は、今何かと話題の映画『クローズドノート』を書いた人なのですね。
だからといって、
「べつに・・・」で感想を終わらせたり、
諸悪の根源になるほど私もお子ちゃまではありません。

土台となっているのは、連続児童殺人事件。
その捜査が行き詰まりを見せたとき、
神奈川県警は、テレビニュースを利用した捜査を思いつき、
ある刑事にそれを命じます。
現役の捜査官がニュース番組に定期出演しては
捜査状況を話したり、犯人へ呼びかけたり。
実際にはかなり難しいことなんだろうな、と思います。
普段は閉じられている犯罪捜査というものが、
がばっとその扉を全開にして
電波にのってお茶の間にまで届いてしまったとしたら、
正直、大半の人はまともに対応できないのではないかと。

登場人物のそれぞれに、とてもしっかりとしたキャラクターがあるのが
大変面白いし、安心して読める要素のひとつとなっています。
浅い者、本質を静かに見極める者、無邪気な者、愚かな者。
ひとつの事件を中心とした、小さな人の群れでしかないのに、
社会の縮図であるかのようにさまざまな色を持った人物を
うまく絡ませて、一気にストーリーを進めるあたりに
私もまんまとハマりました。

どうやら今月末には、豊川悦司の主演で映画が封切られるされる模様。
私のイメージとしては、主人公は役所広司なんだけどなぁ。
豊川悦司では若すぎる。
と、映画のサイトをチェックしてみたところ、
かるーく人物設定がいじられているようでした。
原作では、結婚した娘と孫がいる主人公が、
映画では小さな息子がいるという形に変わっていました。
孫が息子に・・・それも、ほんのちょっとですが、
主人公の心のありように変化を加えてしまうから
いじってはいけない部分なんじゃないかと、私は思います。
子供に対する思いと、孫に対する思いって、
似て非なるものだし、
娘の存在というのも、原作では結構意味があったので。

本を読むことに慣れている人には、
「上下巻に分ける必要あるのかな?」と思える程の量です。
その量と、内容ゆえに、上下巻一気読みできます。
面白い、と言えます。
「と言えます」などと中途半端な言い方をしたのは、
一気読みできるくらい面白いんだけど、
読み終えてから考えると、
ちょっとした疑問がいくつか湧いてきちゃう部分があるのと、
終わり方がちょっとあっけなさ過ぎて物足りなかったという
マイナスポイントゆえ。
でも、文庫本で上下巻買っても損はない面白さです。

「叩けば誰でも痛いんですよ・・・
痛そうじゃないから痛くないんだろうと思ったら大間違いだ・・・・
それは単にその人が我慢しているだけですからな」  (P257)
響いた言葉です。


『犯人に告ぐ』上・下  雫井脩介  双葉文庫
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Top▲ | by mikansky | 2007-10-07 23:53 | book
ヨムワタシ 『鉄板病』
人と同じことがいいのか、悪いのか。
人と違うことがいいのか、悪いのか。
果たして自分はどちらなのか。
そんなことをふと考え出したら、何がなにやらわからなくなってきて、
『鉄板病』 おちまさと。

この本の存在を知るまで、"鉄板"という言葉も知りませんでした。
鉄板とは、「間違いない」「確実な」という意味で
最近使われている言葉なのだそうです。
でも、具体的にどう使ったらいいのかは、私にはわかりません。
「彼がカツラなのは鉄板だ」とでも言えばいいのでしょうか?
(ああ、完璧にオバエリア入り)

この本のタイトルの"鉄板病"とは、
「間違いたくない」「確実でいたい」つまり、
間違えることなく、負けることなく、常に多数派でいたいという思いを抱え、
世の鉄板を全ての基準に生きること、だそうです。
今の世の中、この鉄板病を患い、
「鉄板にすがっていれば大丈夫」といったある種強迫観念にも似たものを
抱えて生きている人が多いらしいです。
"だそうです""らしいです"
といったいい加減な表現が続くところからお分かりのように、
私は、そういった世の中の現象にとんと気づいてはいませんでした。
ところが・・・

「鉄板病の人は常に正しい自分を求めるから間違いを認めない」
あいつだよ・・・。
「鉄板病の人は、"ありえない!"と、少数派を切って捨てるから、
少数派は意見が言えなくなる」
ああ、あいつだ・・・。
「鉄板病の人は、みんなと同じであることに満足を見出すくせに、
自分は特別だと思っている」
お前だよ!そう、そこのお前!!
この本を読んでいると、特定の人物の顔がいくつか、
大変クリアに浮かんできます。
ええ、面白いほどに。
そして最後に最もはっきりと浮かぶのは、
自分の顔。

みんなが知っていることを知らない自分に
ちょっとオロオロします。
みんなが行ったことのある場所へは
"とりあえず"行っておいた方がいいのだろうかと
ほんの一瞬思います。
かといって、
「私は人とは違う」
「私は変わった人間だから」
というのも
"鉄板ではないのよ病"という"鉄板病"の仲間のような気がして、
自分の身の置き所に戸惑ってしまう。
振り返ってみれば、何も今に始まったことではなく、
「人と同じことがいいのか、悪いのか
人と違うことがいいのか、悪いのか」
をずっと考え続けてきた気がします。

そんな人生をン十年と続けてきた今、この本と出会った私ですが、
全てを読み終えた後に口をついて出た言葉は
「ま、いっか」
どうでもいいか、の「ま、いっか」ではなく、
人と同じであれ、異質であれ、
そんなことにもうびくびくしなくてもいいか、の「ま、いっか」。
じっくり考えてみれば、
鉄板派でいることも、非鉄板派でいることも、
自分に自信のない人間には同じようにしんどいことです。
決して人を傷つけるような鋭さを孕まない自信を
この辺に(どの辺?)潜ませて、
右でも左でも、好きな方向を向いて生きていきたいものだと、
その結果、同好の士を得ようと、一匹狼になろうと、
私はもうオロオロすることはないだろうと思うのです。
この本は、そんな気持ちにさせてくれる一冊です。

それにしても、自分に
反応に困るような微妙なものを生み出す友達がいなかったこと、
お世辞ではなく真っ直ぐに評価できるものを生み出してくれる友達がいることに
心から感謝。

『鉄板病』 NHK出版 
著者 おちまさと   構成 ロイ渡辺 (Happy belated birhtday.)
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Top▲ | by mikansky | 2007-09-30 23:48 | book
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