いえ、スパルタというほどではないのだけれど、
結構厳しく育てられたなぁ、と今になって思う。 小学校に上がるか上がらないかの時期から、 間違った言葉の使い方は徹底的に直されたし、 食事のときの行儀を少しでも間違えば 即座に注意された。 説明は許されたけれど、 口答えや揚げ足取りをすれば 容赦なく怒鳴られたし、 それでも食い下がろうものなら、昼だろうが夜だろうが、 家の外へたたき出された。 強烈に記憶に残っているのは、 母が作った食事に文句を言ったときと、 最低限の勉強すらしなかったとき。 どちらも小学校の低学年だったと記憶している。 食事に文句、のときは 「人が作ってくれたものを感謝もせずに 文句を言うヤツなど、人間ではない!」 と、庭へ出されて鍵を閉められた。 人間ではない、という父の言い分もなにやら非常におかしいが、 まぁ、そこまで言わせてしまうほどの態度をとった私が悪い。 勉強をしなかったときは、 「それならこれは全て必要あるまい」と 教科書、ノートからランドセルまで、 全ての勉強道具を庭に捨てられた。 これまたなんともエキセントリックに思える父の仕打ち。 が、あの頃の私を思えば、確かに勉強道具を持つ資格もないわな、 と思わざるを得ない体たらく。 遅くに物音を立てて家族に迷惑をかけるな、という理由から 社会人になっても門限は11時だったし、 休みの日に昼近くまで寝ているなんてとんでもはっぷん。 どんなに遊んでも、 11時までに玄関を入れるようにタクシーに飛び乗ったし、 どんなに遊んだ翌日も、 7時には布団から出ていた。 躾とか教育には、当然、その家それぞれのスタイルがあるはずだ。 そして、子供それぞれによっても違っていいはず。 何が正しくて、どれが間違いなのかは なかなか難しい。 ただ、 「11時までに帰らなきゃならないんです」と言った私に 「お嬢さんが大人になったとき、きっと "あの時ちゃんと門限を守ってよかった"と思いますよ」 と言ったタクシーの運転手さんの言葉を 私は今でも覚えている。 箍がなければとことんだらしなくなってしまう人間だから、 確かに私には、両親の厳しさがあってよかった。 運転手さんが言ったように、 その厳しさに従ってよかったと思う。 さもなければ今頃私は、ろくに口の利き方を知らず、 常識すらも持ち合わせないルーズな人間になっていたはずだから。 「たとえいくつでも、きちんと話せば子供はわかる」 と、母は言う。 「出かける前に、"行儀よくしましょうね"とちゃんと言って聞かせれば 大抵子供は行儀よくするものなの。 電車の中やお店で騒いでいる子供は、親がだらしないか、 親が諦めてしまっているから。子供は悪くないのよ」 諦められなくてよかったと、つくづく思う。 もちろん、さほど立派な人間に育ったわけてはないけれど、 極端に間違った方向へ進まなかったことは、 ひとえに親の功績だ。 20代前半を通り過ぎて気づいたら、 その頃には「もうどこで何をしようとお好きなように」と 何ひとつとして口を出さなくなったのも見事だとは思ったが、 それにしても、やっぱり That was Sparta !! だったよ・・・(泣) Top▲ |
by mikansky
| 2007-07-21 23:48
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